Miraiam編集長のりらです。
【Miraiam Reco】第3回は「自分らしい自分のための教育」を模索してさまざまな人と対話しているココナンさんと。
Miraiamのルーツともいえる"とある合宿"で教育に火がついたという彼女は、今どのように道を歩んでいるのでしょう。
今まさに挑戦したいことがある人、これから教育を始めたい人、そんな人たちを応援したい皆さんも、必見の内容です。どうぞ最後までご覧ください。
教育を学んでいくということは、"他人の話から自分を知ること"?
Lyra(りら)
ココナンさんが今興味を持っている教育は、一言で表すとなんでしょう?
ココナン
興味を持っているのは、オルタナティブ教育です。「自分らしい自分のための教育」を自分の中で掲げて、今は活動の形を模索しているところですね。
Lyra(りら)
模索している活動の形、というのは具体的に言うと...?
ココナン
今はとにかく頭の中で練ってるだけなんですけど、大学生になる来年度から動き出そうと思っています。そこに向けて、人脈や視野を広げることで色んな視点を持って活動できるようになりたいなと思っています。
Lyra(りら)
人脈や視野を広げる、というとイベントや1on1がパッと思い浮かぶのですが、ココナンさんが今していることはなんでしょう?
ココナン
今は人と話すことが多いですね。教育関係者や身近な友人と、これからやりたいことの話や夢の話、あとは自分の取り組みについてや進路の相談、教育関係者からは活動理念も。幅広くお話を聞いてますね。
Lyra(りら)
それらの話は、オルタナティブ教育や「自分らしい自分のための教育」にどう繋がっていそうですか?
ココナン
自分らしく、自分のために生きていく教育を学んでいくということは、他人の話から自分を知ることなんじゃないかなと。
自分のことを考えて自分を知るんじゃなくて、人のことを知ってそれを自分に当てはめてみると、それまで見えてなかった自分の強みや特性が分かってくる。そういう対話や共感を通して、自分らしさや自分の好きを発見できる取り組みができたらいいなと思います。

Lyra(りら)
「自分らしい自分のための教育」の以前に、ココナンさん自身が自分を探究しているわけですね。いいっすね〜。
Lyra(りら)
そんなココナンさんが、オルタナティブ教育や「自分らしい自分のための教育」に興味を持ちだしたのには、どんなきっかけがあったんでしょう。
ココナン
“自分らしい”にこだわり始めたのは本当につい最近で、高校2年生の時です。その頃、やっと自分に趣味というものができまして。フィギュア創作をしてるんですけど、始めるかどうか2年迷いました(笑)。でも、始めてみたらすごい楽しいんですよね。
ココナン
探究のように、クオリティを追い求めて制作のたびに反省点を列挙したり、塗り方作り方を試行錯誤したり。そうやって、制作をより良くするために”学び”を追求していくことに楽しさを覚えていって、その楽しさをもっと広めていきたいと思ったのがきっかけですね。
Lyra(りら)
そのきっかけから今に至るまでに、どんなことをしてきたのでしょう?
ココナン
まず、FECに参加しました。※
FECでは、教育に関わるいろんな人と出会って、喋って、夢や未来を聞いて。それにとても勇気をもらって「自分も行動してみよう!」と思えましたね。
※FECとは?
Miraiamの前身となった"とある合宿"で、正式名称はFuture Education Camp。
5日間のオンラインワークショップと、1泊2日の合宿を通じて、自分たちのやりたい教育、進みたい道を見つけ出していくプログラム。N/S/R高等学校にて、共同代表の新井・須藤が企画/制作しました。
ココナン
その熱量のまま「N/S高マイプロジェクト※」に挑戦したのですが、思った以上に難しくて挫折しました。今は見切り発車で始めたそのプロジェクトを降ろして、新しい事に挑戦しています。
※N/S高マイプロジェクトとは?
「ネットの高校マイプロジェクト」は、地域や身の回りの課題や、自身の興味関心などをテーマにプロジェクトを立ち上げ、長期的に実践する課題解決型プログラムです。-N/S/R高等学校公式HPより-
https://nnn.ed.jp/learning/extracurricular_activities/myproject/
ココナン
今までの経験から「挫折したあとに新しいことを始めようと思ったら、まずは自分のことを知ることから始めるのがいいだろう。」と思っているので、今は自分を知るためにいろんな人と話しています。挑戦する前のメンテナンスのような感じです。
Lyra(りら)
メンテナンス、めちゃいい表現だ...!
今、メンテナンスの進捗はどのぐらいなんでしょう?
ココナン
どうだろう。70%くらいですかね。
挑戦での指針が見つかりました!とか、この能力が向上しました!みたいな圧倒的な効果はないんですけど。
FECに参加する前よりも、具体的なゴールを見据えながら行動できているので、すごく成長してるなと思います。
楽しいが勉強を続ける理由になれば、世界もちょっとずつ広がっていくんじゃないかなと。
Lyra(りら)
メンテナンスが70%と、終盤に差し掛かろうとしている中で、次にやりたいことや挑戦したいことはありますか?
ココナン
今「自分がやりたいことは自分らしい自分のための教育です」と言ってるんですけど、これを「少し楽しい生き方」という言葉に変えていきたくて。
自分らしいとか、自分のための、というとすごく堅苦しい印象を持ってしまうし持たれてしまいます。もっと簡単で楽しいことから始めていきたい。
例えば勉強も「こんな”意味”があるからやりましょう!」で動機づけするのではなく、「こんな楽しさがあるよ!」で動機づけしていきたいですね。

Lyra(りら)
自分のやりたいことを表す言葉を、堅い言葉からやわらかな言葉に変えていきたいと思うまでにどんな気持ちの変化があったのでしょう?
ココナン
フィギュア制作を通じて、趣味を続ける上で付きまとうネガティブな要素(材料費や膨大な時間、モチベーション)をはねのけるメリットに「楽しい」があるんだと気づいたんですね。それを起点に、勉強も”楽しく”していけるんじゃないかなと思い始めました。
ココナン
私は桜を見て、綺麗だなと思うのと同時に、昔の人に思いを馳せるんですよ。和歌や俳句で桜を詠んだ人たちは、この美しさに見惚れて詠むんだなと思って。そうやって、桜を見た後に古典の授業を受けると楽しいんですよね。なんとなく気持ちがわかるような気がするので。まあ、実際はそんなにわかってはないんですけど(笑)。
ココナン
受験や将来のためみたいな現実主義的な理由だけじゃなく、楽しいが勉強を続ける理由になれば、趣味や好きなことがない人、勉強1本を頑張ってきた人、将来の夢がないって人の世界もちょっとずつ広がっていくんじゃないかなと。
Lyra(りら)
教育をやってるとつい、主語が”みんな”に偏り出していくよな〜〜と思っていて。
教育は、自分と目の前にいる1人1人を救うことからしか始まらないなと、話を聞きながら感じています。
みんな、と言うぼやけた対象に放つ強い言葉から、1人1人に近づき寄り添えるやわらかな言葉を選んだ結果「楽しい」が生まれたんでしょうね。
ココナン
最初に、今興味を持ってる教育を「自分のための教育」と強く言ったんですけど、それってすごい押し付けがましいなと心底思ってて。それをもっと柔らかく、当たり前にあるものにしていきたいですね。
Lyra(りら)
教育を通じて、ココナンさんはどういう人生を歩んでいきたいですか?
ココナン
心に決めてるのは「笑い話になるような人生を歩んでいくこと」です。
何で教育やってるんだろうと思ってしまったり、教育のことを考え続けて進んでいることが自分の首を絞めてるなと感じてしまったり、辛くなる瞬間は今でもたくさんあります。
ココナン
それをいつか「なんかくだらんこと悩んでたな〜」と笑い飛ばせるようにしたいです。
絶対に後悔は残したくないので、後から見たら笑い話だから!の気持ちで目の前のことをやりきる人生歩んでいきたいなと思っています。
編集後記
ココナンさんがFECのあとバリバリ成長していった姿をインタビューで捉えることができて、僕はとても感動していました。FECの第2回を、僕たちの法人でもいつか絶対にやりたいですね。ココナンのように熱い思いを持つ中高生との出会いを、僕は求めています。皆さん、いつでも連絡ください。