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【人生、。】アメリカの高校を中退し、大学進学を選んだ長谷川航之輔が目指す「希望を与える実業家」

eyecatch

Miraiam編集長のりらです。このたび、新連載「人生、。」を始動することとなりました。

発端は、メンバーの1人であるめぶきとの対話から。

「人生に迷う中高生に大人がメッセージを送る構図ってよくあるけれど、それには”当事者感”が欠けているんじゃないか。」

「今まさに人生に迷っている中高生の言葉こそ、本当の意味で勇気をもらえるものなんじゃないか。」

そんな事を想い、話し、この新連載がスタートしました。

記念すべき第一回目では、めぶきの古くからの友人である長谷川くん。中学時代、「進級できないぞ」と脅されていたという彼が、自身の弱みと向き合い、目標に向かって直向きに努力を重ねてゆくようになるまでのストーリーに要注目です。


語り手

長谷川航之輔くん
りら

◼︎留学が、人生の9割を占めると言っても過言ではない

Lyra(りら):いろいろな活動をしていると思うので、その近況報告からぜひ聞かせて欲しいです。

長谷川くん:近況報告ですか。僕は今アメリカのシアトルに住んでいて、夏休みや春休みには定期的に日本へ一時帰国しています。その際に「色んな人に会って来た!」という、そのままの名前の活動をしているんです。プロバスケットボール選手もいれば、国会議員、社長もいるといった感じで、業界の枠組みに関係なく、とにかく色々な人に会いに行って話を聞き、知見を深めています。

ちょうどこの前も、この企画をやっていました。今回はeスポーツで有名な「SCARZ」の事務所にお邪魔したり。本当に毎回、全く違う業界の人と話しています。

色んな人に会ってきた!

そして、近況の一番大きな動きで言うと、大学進学を決めたことですね。

僕は日本の学年でいうと高校3年生の代なんですが、アメリカではまだ高校2年生なんです。でも、高校3年生の課程は受けずに高校を中退して、大学に進学することを決めました。どこの大学に行こうかはずっと悩んでいたことだったので、それが決まったのが一番大きな変化です。

Lyra(りら):どうしてそのような決断に至ったのか、これまでの人生の歩みも含めて聞かせていただくところから、インタビューさせてもらえればと思います!今、長谷川くんの眼前に広がっている人生の景色はどんなものですか?

長谷川くん:そうですね…これまでの話をすると、小学校の頃の僕は、今思えばすごく恵まれていました。父が経営者で家庭は裕福だったので、ベイブレードやデュエルマスターズといった流行りのおもちゃは全部持っていて。放課後は自然と僕の家に友達が集まってくるような、何もしなくてもクラスの人気者、という感じの存在でした。

でも、中学受験を機に状況が変わります。親に勧められてよく分からないまま塾に通い始めたのですが、学年が上がるにつれて努力不足が露呈して、成績はどんどん下がっていきました。なんとか中高一貫校に合格できたものの、入学してすぐに勉強につまずいてしまったんです。

中学校の数学の授業で最初に出てくる「x(エックス)」が、まず何なのか分からない。僕は「なぜそうなるのか」を知らないと納得できないタイプなのに、数学では公式を覚えて当てはめる作業が求められる。そこでつまずいてしまいました。

長谷川くん:さらに、当時セミプロゲーマーとして活動していて、夜中まで大会に出る生活を送っていたので、学校ではほとんど寝ているような状態でした。勉強についていけず、そのままダラダラと過ごしてしまって。中学生になると、おもちゃをたくさん持っているだけでは人気者にはなれません。友達はそれなりにいましたが、周りのみんなの方が自分よりずっと勉強ができる。中学3年生になる頃には、定期試験で10点を取れれば良い方で、全国模試では下から数えた方が早いくらいの順位でした。「このままじゃ大学に行けない」と、ようやく危機感を覚えたんです。

どうしようかと考えた時、母が留学エージェントで働いていたこともあり、「留学」という選択肢が身近にありました。「これだ!」と思い、高校1年生の1学期が終わったタイミングでアメリカに留学しました。

長谷川くん:この留学が、僕の人生の9割を占めると言っても過言ではないくらい、大きな転機になりました。

何が違ったかというと、まずアメリカの学校は「実質的平等」が徹底されていて、自分の学力に合った授業を選択できます。だから僕は、高校生でありながら中学1年生レベルの数学からやり直すことができました。

人間関係も、勉強も、すべてがリセットされた。「もう一度、ゼロから始められる最高の環境だ」と思い、今度こそ努力しようと決意しました。そこから必死に勉強したら、成績も上がってきて、「勉強って、やればできるんだ。テストって点数が取れるようにできてるんだ」と当たり前のことに気づいたんです(笑)。

それに、「高校留学をしている」ということ自体が、自分自身の価値になりました。高校から留学する人はまだ少ないので、それだけで語れる経験が増えるし、いろんな大人に会う時のアピールポイントにもなる。そこから一気に人生が好転した感覚です。

中学時代の僕を知っている友人からすれば、今の僕は想像もつかないと思います。実際、進学先もオーストラリアのとても良い大学に決まりました。留学をしていなかったら、絶対にあり得なかった未来です。

留学先での仲間と📷

■「逃げ癖」と向き合った乗馬の経験

Lyra(りら):留学が大きな転機だったんですね。他に、人生のターニングポイントになったようなエピソードはありますか?

長谷川くん:僕、昔からすごく「逃げ癖」が強いんです。習い事もたくさんしましたが、ちょっと嫌になるとすぐに辞めてしまっていました。野球、空手、水泳、サッカー…全部しょうもない理由で辞めましたね。

そんな中、中学1年生の時に戦国武将に憧れて、「馬に乗ってみたい」と思い、乗馬を始めました。すると、生まれて初めて「これ、センスあるな」と自分でも思えるくらい上達して。インストラクターの方にも「初めてでこんなに上手くなる人はいない」と褒められました。

1年半ほど続けていたんですが、いつも乗っていた馬が亡くなってしまったんです。僕の所有馬ではなかったのですが、その馬に乗りたくてクラブに通っていたので、ペットが死んでしまったような感覚になってしまって。悲しすぎて、乗馬ができなくなってしまいました。

長谷川くんと共に生きた愛馬

結局、乗馬も辞めてしまったのですが、その時はものすごく悩みました。初めてうまくいった習い事だったからこそ、「また俺は何かから逃げるのか」と。勉強からも、スポーツからも逃げて、やっと見つけたものをまた手放してしまうのか、と。

最終的に逃げることを選んだのですが、その瞬間に**「もう何かから逃げるのは、これで最後にしよう」**と決めたんです。その馬との出会いと別れが、僕にとっての大きなターニングポイントになりました。それからは、何か怖いことがあっても逃げずに立ち向かおうと思えるようになった。その経験がなかったら、留学先で「英語で話すのが怖い」とアメリカ人と話すのを避けていたかもしれません。


■希望を与える実業家という夢

Lyra(りら):様々な経験を経て、今、長谷川くんはどんな未来を描いていますか?

長谷川くん:目の前のことで言えば、大学生活が始まることにワクワクしています。国も環境もまたガラリと変わりますし、一人暮らしも始まります。高校生までは子どもだったのが、大学生になると少し大人になるような、大きなステップアップだと感じていて、未知の世界に飛び込むのが楽しみですね。

そして、もっと大きなスケールでの最終的な夢は、**「人々に希望を与える実業家になること」**です。

これはナポレオンの「リーダーとは、希望を配る人のことだ」という名言に感銘を受けたのがきっかけです。僕は、人生の目的は突き詰めれば「みんなが笑顔になるため」にあると考えています。仕事も、サービスも、エンターテイメントも、すべては誰かを笑顔にするために繋がっている。その中で、実業家やリーダーというのは、人々に笑顔や希望を配り続けるポジションだと思っています。

昔からリーダーという立場に固執するところがあって。小学生の頃はクラスの人気者でいることで、勉強ができなかった中学時代も学級委員をやっていました。自分が舵を取りたいという欲求が強いんだと思います。会社に所属して上司とうまくやっていく自分の姿があまり想像できないですし、自分で事業をやりたいという思いが強いので、経営者になりたいんです。

Lyra(りら):「人を動かしたい」という熱意は、どこから来るのでしょうか?

長谷川くん:これは正直に言うと、綺麗な話ではありません。僕は結構、利己的な人間なので、物事が自分の思い通りにならないのが嫌なんです。組織を運営する上で、自分のイメージと違うものが出来上がってくると気分が悪くなってしまう。だから、自分の人生を生きやすくするために、人をうまく動かせる人になりたい。

もちろん、人の意見を尊重しないとか、独裁者になりたいという意味ではありません。ただ、人の長所を見抜いて、その人が最も輝けるポジションに配置し、事業を効率的に進めていくスキルは、リーダーにとって不可欠だと思うんです。自分の野望を叶えるために、人を動かす力を身につけたいという情熱ですね。


■リーダーとしての苦悩と、目指す「織田信長」像

長谷川くん:僕はリーダーには3つのタイプがいると思っていて。それが、織田信長タイプ、豊臣秀吉タイプ、徳川家康タイプ。僕は間違いなく、「鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス」と表現される織田信長タイプ。

歴史を見ると、信長タイプのリーダーは世界を大きく変える推進力を持っていて、僕はこのタイプが最強だと思っています。

ただ、信長は最終的に部下に裏切られますよね。そこが最大の改善ポイントです。僕には家康のように「鳴くまで待つ」という忍耐力や包容力はないと自覚しているので、信長タイプをベースにしつつ、どうデメリットを補うかを考えています。

その答えは、**「仲間」**だと思っています。事業を始める時、誰を仲間に入れるかが最も重要だと。最近は、長く付き合いがあって、この人なら絶対に信頼できると思う人にだけ声をかけるようにしています。

Lyra(りら):僕も共同代表と二人で法人を運営していて、人と一緒に未来を描くことの難しさを痛感した一年だったので、すごく刺さります。僕たちの場合は、僕が表でコミュニケーション担当、もう一人がエンジニアで裏方担当、というようにうまく役割分担ができています。

長谷川くん:背中を任せられる相方がいるのは、めちゃくちゃ憧れますね。僕も以前、共同で団体を運営したことがあるんですが、僕と相方のリーダーとしてのタイプが真逆で、ミーティングのたびに僕たち二人が対立してしまい、うまくいきませんでした。

共同でやっていく難しさもメリットも、両方学びましたね。リーダーという立場はストレスも大きいですが、それも「指導者ってもんだ」と思って、なるべくナルシストに、楽しみながら乗り越えようと思っています。自分が始めた物語に、自分が苦しめられる感覚に陥ることもありますが(笑)。

Lyra(りら):僕の場合は、むしろその苦しみがないと生きていけないタイプかもしれません。会社をやっていない、普通の世界にいる方が苦しいと感じてしまう。だから、この苦しみの方がまだマシかな、と思いながらやっています。

長谷川くん:分かります。結局、今ここにいるのは、自分がその時々の最善の選択をしてきた結果ですもんね。頭では分かっていても、色々考えてしまいます。

 


■最後に、人生に悩む同世代へのメッセージ

Lyra(りら):最後に、昔の自分や、この記事を読んでいる中高生に向けて、何か一つメッセージをお願いします。

長谷川くん:将来の夢や進路を考える時、多くの人は「サッカー選手」や「パティシエ」のような、具体的な職業をあげることが多いと思います。でも僕は、夢はむしろ抽象的であればあるほど良いとさえ思っています。

僕が言っている「人々に希望を与えるような人になりたい」というのも、その一つです。サッカー選手もパティシエも、広い目で見れば人々に希望を与える存在ですよね。

具体的な目標を無理に探そうとすると、逆に見つからなくなってしまう。そうではなくて、「自分はどんな人でありたいか」「どんな世の中を作りたいか」といった、半分哲学的な、大きな視点で考えてみるのがいいと思います。「人の話をよく聞いて、的確なフィードバックができる人になりたい」とか、どんなに小さなことでもいいんです。

具体的な目標は、後から変わっていくものです。だからこそ、まずは自分が「どうありたいか」という抽象的な軸を見つけることが、道に迷った時の道しるべになるんじゃないかと思います。


勉強での挫折や、逃げ癖。そんな壁の前に打ちひしがれるばかりではなく、新たな挑戦のフォールドを手繰り寄せ、確かにものにしている長谷川くんの推進力には本当に、圧倒されます。一見、"凄そう"な彼の、普段は見えづらい影が、これを読むあなたにとっての柔らかい光となることを切に願っています。

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ライター: lyra(りら)
編集長。香川県に移住体験中の猫好き。
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